子供に読み聞かせたい良質な絵本5選

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絵本はこどもの為のものであり、こどもの頃だけのものだというイメージがあるかもしれません。でも私自身は、

こどもの頃に読んだ絵本に、大人になった今も影響を受けています

人生の局面で、あの絵本の主人公は勇気を出していたな、

あの場面ではこんな行動にでていたな、など思い出すことが多く、

人生の大切なことは母に絵本を通して教わったと感じています。

子供の頃すばらしい絵本に出会うことは、その後の人生観を変えることさえもできると感じています。

今回は、大人になった今もふと思い出す、こどもに読み聞かせたい大切な絵本の中から厳選した5冊ご紹介します!

 

ましろのあさ

 

作・画:いもとようこ

出版社:金の星社

発行日:1998/05/29

「ましろのあさ」のあらすじ

うさぎのましろは、おいしいにんじんや水のたっぷりある小屋にすんでいました。

けれど、なにかものたりない。

「あみの外はどんなだろう」

ある晩、ましろは大決心をし、あみを飛び出します。

しかし、外の世界は危険がいっぱい。

おいしいにんじんもきれいなおみずもありません。

ある朝、太陽のやさしい光で目覚めたましろが、

葉っぱから落ちてきた朝露を飲んでみると、「おいしい!」

はじめて食べた葉っぱもおいしい。

ましろは次々と新しい世界の扉を開いていきます。

 

「ましろのあさ」はどんな一冊?

何不自由ない小屋を抜け出して、外の世界で苦労もするましろですが、

誰かに用意してもらった生活ではなく、自分の足で人生を進んでいくことに、

たくさんの喜びや希望を見出していきます。

「おいしいにんじんないけれど きれいなみずもないけれど

わたしのあしではしってる わたしのあしではねている」

と歌う、ましろの言葉に子供の頃心が震え応援したくなったことを覚えています。

大人になった今でも、人生の局面で尻込みしそうになると、

自分が人生でやりたいことはなにか

を考えて、ましろのことを思い出すのです。

勇気を出して自分の人生を切り開くことのすばらしさを教えてくれるです。

 

はじめてのおつかい

作:筒井頼子/画:林明子

出版社:福音館書店

発行日:1977/04/01

「はじめてのおつかい」のあらすじ

みいちゃんは、赤ちゃんのお世話で忙しいママにおつかいを頼まれて、牛乳を買いに行きます。

いつもはママと歩く道も、ひとりで歩くと緊張の連続です。

お店にたどり着いたみいちゃんは、「ぎゅうにゅうください」と言いますが、ちいさな声しか出ません。

小さいみいちゃんはなかなかお店の人に気づいてもらえません。

みいちゃんはどうするのでしょうか・・・?

「はじめてのおつかい」はどんな一冊?

誰しも必ず経験する、“はじめて”の出来事。

自分自身とみいちゃんを重ねて、ドキドキしながらお話を聞いていたことを思い出します。

緊張の中勇気を出して乗り越えたこと、乗り越えた先でほっとして涙がこぼれること。

“はじめて”の経験は、大人になっても続きます。

“はじめて”に出会うたびにみいちゃんを思い出し、成長する一歩を踏み出す勇気をもらえる一冊です。

さっちゃんのまほうのて

作・画:たばたせいいち/先天性四肢障害児父母の会

出版社:偕成社

発行日:1985/10

「さっちゃんのまほうのて」のあらすじ

うまれつき右手に指に欠損を持つ女の子「さっちゃん」は、幼稚園でのおままごとでお母さん役を取り合いになった時に、友達から言われた“手のないお母さんなんて変だもん。”という言葉に深く傷つき幼稚園に行けなくなりました。

さっちゃんはお母さんにどうしてさっちゃんには指がないのか、いつか指は生えてくるのか迫ります。「さっちゃん、ゆびがなくてもおかあさんになれるかな」とお父さんにもぽつりと話します。

傷つきながらも自分の障害を受け入れ前へ進んでいく女の子を描いた作品。

「さっちゃんのまほうのて」はどんな一冊?

お母さんお父さんそれぞれの、心の痛みと深い愛情と強さが伝わる言葉や、その深い愛情のこもった言葉で自分自身のコンプレックスを乗り越えていくさっちゃん。

私は幼いころ母にこの絵本を何度も何度も読み聞かせてもらっていました。

その頃身近に障害をもった人がいなかった私は、この話に現実味がなく、なぜ楽しくもないこの絵本をそんなにも母は特別に選ぶのかわかりませんでした。

しかし、大人になって様々な経験をしてきた今、特にさっちゃんの両親の気持ちが痛い程よく分かります。そして自身の親からの愛情も。

子供を持つ親は誰しも、自分の子供には健康で不自由ない生活を送ってほしいと願います。

ですが、現実は時に残酷です。

さも言う私も、自身の子供が発達障害を抱えています。

障害で悩む子供を見るのはとても辛いことですが、

親としては子供の事は障害を含めて、全てが愛おしく感じ、むしろ障害によって愛情が深くなっていると感じることすらあります。

自分の子がさっちゃんだったら、自分自身がさっちゃんだったらどんな気持ちだろう。

気づけば人生経験を積めば積むほど、この絵本のことを思い出すことが多くなっていました。

障害について子供の頃には少し難しくてすべての想いが伝わらなくても、大人になった時に時を超えて大切なことを思い出させてくれる1冊です。

いいこってどんなこ?

文:ジーン・モデット/絵:ロビン・スポワート

出版社:冨山房

発行日:1994年

「いいこってどんなこ?」のあらすじ

うさぎのバニーがおかあさんに、「いいこってどんなこ?」と質問します。

バニーは、「絶対泣かない子がいいこなの?」「強い子がいいこ?」とたくさんの質問をします。

おかあさんはひとつひとつの質問に丁寧に答え、泣いたっていいし怖いものがない人なんていないし、どんなバニーでも大好きで、バニーらしくいるのが一番だと伝えます。

「いいこってどんなこ?」はどんな一冊?

子供との日常生活は本当にいろいろなことがあり、子供はいたずらをしたり怠けたり、危ないことをしたりわがままをいうこともあります。そして親はそんな子供の将来を心配をする気持ちから強く叱ってしまったり、時に感情的になって怒って子供を傷つけてしまったりすることもあります。

子育ては本当に大変でなかなか思うようにいきません。

しかし、親は子供の事を心から愛しています。子供の幸せを心から願っています。親がこどもに本当に伝えたいことは、注意することでもしつけることでもなく、ありのままの姿を大切に思っているということです。子供自身にもありのままの自分を大切にしてほしいということです。

この絵本を通して、どんなあなたもまるごと大好きだよ。ということが伝わる1冊です。

かいじゅうたちのいるところ

作:モーリスセンダック

出版社:冨山房

発行日:1975年

「かいじゅうたちのいるところ」のあらすじ

いたずらっ子の男の子のマックスは、おおかみの着ぐるみを着ると大暴れ。

母親に叱られても反省する様子もなく、とうとう夕食抜きで寝室に閉じ込められてしまいます。

ところがその部屋に、にょきにょきと木が生え気が付くとそこは森の中。不思議な海が広がり長い航海のすえマックスはかいじゅうの国にたどり着きます。

マックスは恐ろしいかいじゅうにだって負けずに「しずかにしろ!」と怒鳴りつけ、かいじゅうの国で王様になりました。

自分の思い通りになるこの世界でしたが、マックスはだんだん疲れて家が恋しくなり、母が待つ自分の部屋へ帰ります。そこにはまだあたたかい夕飯が置いてあった、というストーリー。

「かいじゅうたちのいるところ」はどんな一冊?

やんちゃで暴れん坊の男の子らしい男の子。誰よりも強くなりたい!かっこよくなりたい!思ったとおりのことがしたい!と、いう子供の好奇心や冒険心など有り余るエネルギーを感じるマックスですが、それができるのは家で自分を待っていてくれる存在があるからなのだな、と感じられます。

いつもの寝室へ帰った安心感と、あたたかい夕飯に母のぬくもりをかんじます。

どんなあなたでもいつでもあなたを待っているよということを伝えられる一冊です。

まとめ

絵本の読み聞かせは、子供にとってその場限りのことではないと考えています。

良質な絵本に出会えた子供は、成長段階で困難にぶつかった時、またそれが大人になってからであったとしても、物語を思い出し、考え活かしていくことができると思います。

良質な絵本を親が愛情をもって読み聞かせしていれば、些細な時間も、将来かけがえのない素晴らしい思い出の時間になると思います。

 

 

 

 

この記事をかいた人

夫、小学生長男、幼稚園児次男と暮らすアラフォーママ。
幼い頃から絵を描くことや鑑賞することが好きで母にたくさんの絵本を読み聞かせしてもらった経験から、大人になった今でも絵本が大好きです。自分の子供と2週間に1度図書館へ行くことが家族行事になっており、様々な絵本に触れています。同じように子育てをするママさんへ、絵本選びのお手伝いをしたいと考えこのブログを立ち上げました!

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